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石田 博/ISHIDA Hiroshi
Sommelier's Note~ソムリエのネタ帳

1969年東京出身。90年ホテルニューオータニ入社。尊敬する先輩に憧れ、ソムリエを志す。94年よりレストラン ラ・トゥール・ダルジャン配属、フランス伝統の料理とサービスを学び、ソムリエとしてのキャリアをスタート。2000年、第10回世界最優秀ソムリエコンクールでは第3位になるなど数々の賞を受賞し、日本でも屈指のソムリエとなる。04年ベージュ アラン・デュカス 東京へ移籍、2008年より同社総支配人就任。2011年2月よりレストラン アイ(神宮前)のシェフソムリエとして勤めるかたわら、ホテル日航東京(台場)、同豊橋(愛知)の顧問も務める。講演、執筆、コンサルティング、教育活動など幅広く活動する



ソムリエの視点。世界のワインシーン。②

中国最優秀ソムリエコンクール ファイナリストたち

アジアの台頭、ソムリエ職の変化。

アジアのソムリエたちは本当に貪欲です。日本に並々ならぬ興味と、憧れと、対抗意識を持っています。スポーツの世界と同じです。つまり、群を抜いているはずだった先進国、日本の脅威になりつつあります。

中国、香港、台湾、マレーシア、シンガポール、、どこに行っても、熱心な質問を受けます。そしてそのレベルはとても高いものです。ソムリエという職業でどうしたら成功できるかという思いと真摯に向き合っているのが伝わってきます。

日本のテレビでの中国はというと、粗末なパクリ商品と、爆買い、マナー違反などばかりが取り上げられているので、ソムリエのレベルもそんなものかというと、違います。
(もっとも中国ではゴールデンタイムに、日本軍が中国人に虐待をするドラマが放映されていますから、どっちもどっちです)

2015年 アジア・オセアニア最優先ソムリエコンクールではそんな中国勢の進化ぶりが目を引きました。結果、2位と4位。しかも2位に入ったソムリエは26歳。
日本ソムリエ協会が主催する若手ソムリエ奨学制度は27歳以下。各方面より、「年齢制限が低く過ぎる。引き上げてくれ」と意見が寄せられます。そんな意識は、もうアジアから遅れを取り始めているのかもしれません。

マレーシア、シンガポールも審査員の目を引いたようです。いずれも30歳そこそこです。

私は集合写真をみて、ハッとしました。明らかに私がオヤジなのは分かっていたこととして、みんなスーツ姿なのです。ソムリエコスチュームを着ていたのは私と、同じく日本代表の野坂昭彦さん(トゥール・ダルジャン)だけです。
彼らは皆飲食店に勤めているのではなく、ワインショップ、輸入卸し、コンサルティング、ワイナリー勤務の人もいました。

ソムリエという職業は、日本ではレストランでワインをサービスしているプロ、という認識が根強いと思います。しかし、世界的には、「ワインおよび飲料の提案、販売を生業とする」のもソムリエとして認められているのです。

ワインを適切なアドバイスとサービスで、レストランにいらしたお客様に最善の状態で楽しんでもらうことは、ソムリエの主たる仕事であることに変わりはありません。近年では、加えてセールス・マーケティングの要素を大いに重要度を増しているのです。

(続く)


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