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石田 博/ISHIDA Hiroshi
Sommelier's Note~ソムリエのネタ帳

1969年東京出身。90年ホテルニューオータニ入社。尊敬する先輩に憧れ、ソムリエを志す。94年よりレストラン ラ・トゥール・ダルジャン配属、フランス伝統の料理とサービスを学び、ソムリエとしてのキャリアをスタート。2000年、第10回世界最優秀ソムリエコンクールでは第3位になるなど数々の賞を受賞し、日本でも屈指のソムリエとなる。04年ベージュ アラン・デュカス 東京へ移籍、2008年より同社総支配人就任。2011年2月よりレストラン アイ(神宮前)のシェフソムリエとして勤めるかたわら、ホテル日航東京(台場)、同豊橋(愛知)の顧問も務める。講演、執筆、コンサルティング、教育活動など幅広く活動する



チリワインレポート②〜アコンカグア

アコンカグアは、アンデス最高峰の高山として有名ですが、チリワインにとってもポテンシャルの高い産地として認知されています。

その牽引役を担っているのが、エラスリス Errazuriz で、創業1870年の歴史を誇る家族経営のメガワイナリーです。
特に、プレミアムワイン「ドンマキシミアーノ」はブラインドの比較試飲で、ボルドーのグランヴァンを凌ぐ評価を世界的なプロからも受けており、アコンカグア、ひいてはチリのプレミアムワインの存在を広めるに大きく貢献しています。
ワイナリーは歴史と革新を感じさせる、素晴らしいもので、増築された新しい醸造所はボルドー最新のものとまったく遜色がありません。
Don Maximiano 2012 は、アコンカグアでと、パンクエイエというエリアから生まれるカベルネ主体(75%)のワインで、香りの緻密さと複雑さ、味わいのバランスのよさは、ボルドーグランヴァンを彷彿とさせます。わずかにブレンドされたカルムネールからのメントールフレーヴァーとプティヴェルドのスパイシーさも、巧妙なアクセントとなっています。
チリ国内で活発な動きを見せているのは、中小規模生産者です。ワインを本業としている人だけでなく、副業として、しっかりとしたワイン造りをしている人も少なからずいるそうです。
Moviと呼ばれる個人生産者のグループも結成させれており、高品質なワインを産出しています。
フォン・シーベンタル Von Siebenthalは、エラスリスと同じくパンクエイエに根を下ろす、優良生産者で、Moviのリーダー的存在です。
スイス人オーナーのマウロ・フォン・シーベンタルさんは弁護士出身というキャリアの持ち主です。
アコンカグアは決してクールクライメイトとはいえない、という意見もありますが、マウロさんによると、パンクエイエはまず気温30度を超えることがないといいます。
1998年には、雑草しか生えていなかった、35haの花崗岩質土壌の畑に植えたカルムネールやシラーはすでに根幹がヴィエイユ・ヴィーニュ(古樹)のように充実しています。
Parcela #7 2012 は、カベルネ、プティヴェルド、メルロー、カベルネフランをブレンドしたスタンダードキュヴェで、濃縮感がありながらも、ピュアな印象の芳醇なワインで、力強いタンニンはよく熟していて、粗さは感じさせません。前菜、魚、肉料理と幅広く楽しめる、フードフレンドリーなワインです。
圧巻は、Tatay de Cristobal 2010 で、カルムネール(90%)にプティヴェルドをブレンドしたプレミアムワインです。
やんちゃな印象のあるカルムネールが見事なエレガンスを放っています。ふくよかで、ふくらみのあるボディをスパイシーなタンニンが引き締めています。
しかし、このワイン、$300もするのです。
日本未輸入のこのワイナリー、まもなく日本の会社と契約の見込みだそうです。さあ、どこが輸入するのでしょう。
Tatayは別格ですが、スタンダードのワインも魅力的なので楽しみです。
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お知らせ
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