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石田 博/ISHIDA Hiroshi
Sommelier's Note~ソムリエのネタ帳

1969年東京出身。90年ホテルニューオータニ入社。尊敬する先輩に憧れ、ソムリエを志す。94年よりレストラン ラ・トゥール・ダルジャン配属、フランス伝統の料理とサービスを学び、ソムリエとしてのキャリアをスタート。2000年、第10回世界最優秀ソムリエコンクールでは第3位になるなど数々の賞を受賞し、日本でも屈指のソムリエとなる。04年ベージュ アラン・デュカス 東京へ移籍、2008年より同社総支配人就任。2011年2月よりレストラン アイ(神宮前)のシェフソムリエとして勤めるかたわら、ホテル日航東京(台場)、同豊橋(愛知)の顧問も務める。講演、執筆、コンサルティング、教育活動など幅広く活動する


月別アーカイブ: 6月 2014

アヴィニョン③

雰囲気のある看板

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴィユー・テレグラフは、100年にもおよぶ歴史、ワインの品質、生産量、において、シャトー・ド・ボーカステルとともに、シャトーヌフの代名詞ともいえる存在です。

 

古いドメーヌ(建物)を活かしつつ、改築されたワイナリーは、生産ラインがきちんと整理、管理されており、工場の見本ともいえるでしょう。

重力を利用した醸造ライン。ポンプを使わないことにより、ブドウや果汁は酸化リスクを避けられます。

木製の発酵層。当たり前のことに思えますが、床にはよけいなものが一切置かれていません。

整然。

 

古いヴィンテージや大型ボトル(9リットル、12リットル)が熟成されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「品質の高いものを、大量につくる」

とは、まさにこういうことだと実感させてくれます。そういった意味では、クロ・デュ・パプがブルゴーニュ的だとすれば、ヴィユー・テレグラフはボルドー的なんですね。対照的でとても興味深いです。

 

シャトーヌフというと、13品種ものブドウを使うことでよく知られています。そのブレンド比率によって、ワインは違いが出てきます。

グルナッシュは、ヴォリューム感と熟成も進みやすく、シラーは色の濃さ、バランス、タンニンを与え、熟成にブレーキをかけます。ムールヴェドルはスパイシーさと骨格を、サンソーは果実味とやわらかさを与えます。

さらに、プクプールやピカルダンなど白ブドウも使われることがありますから、そのレシピはワイナリーにより、それぞれなのです。

加えて、ブドウ品種ごとに醸造、熟成をさえて、ブレンドする方法と、さまざまなブドウ品種を一緒に醸造する方法(混醸)があり、伝統的な手法としては後者となり、ヴィユー・テレグラフでは混醸が好んで採用しています。

テイスティングカウンターには、かの有名なガレ(丸石)が。

熟成による複雑さ、芳醇な味わい。シャトーヌフのテキストブックといえるでしょう

 

 

 

 

 

 

11世紀のシャトー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャトー・モンフォコンは、シャトーヌフ、ヴァントゥの対岸、ローヌ右岸のリラックに位置するワイナリーで、大変古い歴史(11世紀!)をもったシャトーがシンボルとなっています。カーヴ(熟成庫)は16世紀のものをそのままに使われています。

 

モンフォコンはリラックというアペラシオンを持ちながら、コートデュローヌというラベルを大切にしています。

原産地呼称制度(アペラシオン)が生まれる遥か以前、17世紀には、この地のワインの樽には、「CDR」と記されており、それが今日の名称となったという、縁りを大切にするためです。

歴史を感じるカーブ

伝統的な発酵層

16世紀に使われていた破砕機と発酵層

 

 

 

 

 

 

 

 

この古いカーヴと古い樽から生まれたものとは思えないほどに、ワインはピュアで、きれいな果実香がストレートに立ち上ってきます。もちろん南部ローヌらしい、グルナッシュによる濃縮感のある、たっぷりとした芳醇さが味わえます。

また、この地の伝統品種でありながら、近年忘れかけられた存在のブドウ品種にも目を向けています。これらのブドウのイメージがよくないのは、適切な栽培を行わず、収量を多くとり過ぎたためといいます。

クノワーズ、果実味が口の中ではじける大変快適なワイン

ワイナリーで発見された1829年にデザインされたラベル。おそらく最古のワインラベルのデザイン。15品種を混醸した「Mr. Le Baron」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1995年よりワイナリーを引き継いだロドルフ氏は(残念ながら渡米中でお会いできず)、カリフォルニア デイヴィス留学、豪のバロッサの著名ワイナリー(ヘンチキ)、そしてヴィユーテレグラフという輝かしいキャリアをもちながらも、シャトー・モンフォコンの歴史、伝統、カーブを尊重したワイン造りを続けているのです。

中央がロドルフ氏。写真はあくまでもイメージです。一緒に写っているヒゲの男性は同行していません(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴィユー・テレグラフはエノテカが取り扱っています。

http://www.enoteca.co.jp/online-shop2/list.php?special=RP&sort_key=point_a

シャトー・モンフォコンは飯田が取り扱っています。

http://www.iidawine.com/asp/winary/10112309.asp?Wcd=10112309

 


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