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石田 博/ISHIDA Hiroshi
Sommelier's Note~ソムリエのネタ帳

1969年東京出身。90年ホテルニューオータニ入社。尊敬する先輩に憧れ、ソムリエを志す。94年よりレストラン ラ・トゥール・ダルジャン配属、フランス伝統の料理とサービスを学び、ソムリエとしてのキャリアをスタート。2000年、第10回世界最優秀ソムリエコンクールでは第3位になるなど数々の賞を受賞し、日本でも屈指のソムリエとなる。04年ベージュ アラン・デュカス 東京へ移籍、2008年より同社総支配人就任。2011年2月よりレストラン アイ(神宮前)のシェフソムリエとして勤めるかたわら、ホテル日航東京(台場)、同豊橋(愛知)の顧問も務める。講演、執筆、コンサルティング、教育活動など幅広く活動する


月別アーカイブ: 4月 2013

香り

テイスティングというと、
一番注目されるのは「香り」だと思います。

「これは何の香りというんですか?」と、
ワインを学ぶ方からも、学ぶつもりがない方からも
よく質問されます。

テイスティングをする際に、グラスを手に取ると
すぐに香りをかぐ、また香りをかぐのに
時間をかけてる方が多いと思います。

香りの表現には、私たち日本人にとって
非日常的なものが多いので、
よけいに興味をかきたてられるのもあるでしょう。

日本人は元々香りには敏感ですよね。

確かに香りは重要です。

「テイスティングの80%は香りで決まる」
と言うオーソリティもいらっしゃるほどです。

確かに味覚要素は5つしかないのに対して、
香りは数限りなくあるわけですから、
ワインの多様性は香りが作っているといえます。

そして熟成により、大きく様変わりするのも
やはり香りですから、

「ワインは香りを味わうもの」

なのかもしれませんね。

私はテイスティングの際、
香りに頼り過ぎないように注意をしています。

ワインは外観と香りから多くのことが分かります。
でも、それはあくまで推測でしかないからです。

外観と香りは、化粧することも、矯正することもできます。
もちろん、それは悪いことではありませんが、

本質ではありません。

栽培、醸造技術は大変発達していて、
色を濃くすることも、輝きを強くすることも、
フルーツの香りを強くすることも、
スパイスの香りを付けることも可能なのです。

こうした技術を駆使したワインは
大変分かりやすく、ゴージャスな感じがします。
ウケがよく、モード(流行り廃り)でもあります。

ワインの本質は、ブドウがどのような環境で育ち、
成熟し、成長(熟成)したことにより、
身に付けられたものです。

これはもちろん香りに表れますが、
味わい特に余韻には顕著に表れるのです。

味わいの余韻に表れる特徴こそ、
取り繕いようのない、
ワインの本質であると、私は考えています。


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