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石田 博/ISHIDA Hiroshi
Sommelier's Note~ソムリエのネタ帳

1969年東京出身。90年ホテルニューオータニ入社。尊敬する先輩に憧れ、ソムリエを志す。94年よりレストラン ラ・トゥール・ダルジャン配属、フランス伝統の料理とサービスを学び、ソムリエとしてのキャリアをスタート。2000年、第10回世界最優秀ソムリエコンクールでは第3位になるなど数々の賞を受賞し、日本でも屈指のソムリエとなる。04年ベージュ アラン・デュカス 東京へ移籍、2008年より同社総支配人就任。2011年2月よりレストラン アイ(神宮前)のシェフソムリエとして勤めるかたわら、ホテル日航東京(台場)、同豊橋(愛知)の顧問も務める。講演、執筆、コンサルティング、教育活動など幅広く活動する


日別アーカイブ: 2012年9月19日

ヴィンテージ②

ワインほどそのヴィンテージによって
評価が左右するものはありません。
事実、価格は大きく異なりますし、
「アタリ・ハズレ」といった残酷なレッテルが
張られてしまうほどです。
ヴィンテージはワインの特性ですし、
面白さであることは間違いありませんが、
ヴィンテージチャートや巷の評判を
鵜呑みにしてはいけません。
 
7月も過ぎて、収穫日がみえてくると
「今年の出来」について情報がにぎやかに飛び交います。
天候の状況や収穫量についての評価が一般的です。
これは作り手によって状況は違います。
好天でも過剰な収量ではよいワインはできませんし、
悪天候でもたゆまぬ努力で
よいブドウを育てる作り手もいるからです。
 
収穫後、生産者や委員会から発信される情報について、
良識ある作り手や専門家は、
「この時期の評価は尚早である」ことを知っています。

この段階で状況が瓶詰めの頃には一変することがあるからです。
 
出荷前後にボルドーでは専門家による試飲会が開かれ、
ヴィンテージ評価が下されます。
この評価により価格が高騰、下落するのです。
しかし思いのほかよい熟成をしなかったり、
数年後見事にバケ、素晴らしい味わいのワインとなるともあるのです。
 
また、ヴィンテージ評価は、まずそれがどのワインの評価なのかが大切です。
ボルドーは秀逸年だが、ブルゴーニュはそうでもない、
またブルゴーニュひとつとっても、
赤は良いが、白は難しいという年もよくあるのです。
 
秀逸年の特徴は、凝縮感があり、飲み頃(真価を発揮する)までに
時間が掛ります。
料理とも合わせにくい。
そして何より、価格が高い。

難しいヴィンテージの特徴は、香りの開きが早く、
味わいも柔らかいので、すぐに楽しめます。
料理との汎用性は高い。
そして価格がより低い。

こう考えてみると、グレートヴィンテージの大きなメリットは
「長期熟成が可能である」
ということになります。

早めに楽しむのなら、難しいヴィンテージを狙うほうが
賢いワイン選びであり、「美味しい」と感じられるワインに出会えるのです。


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