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石田 博/ISHIDA Hiroshi
Sommelier's Note~ソムリエのネタ帳

1969年東京出身。90年ホテルニューオータニ入社。尊敬する先輩に憧れ、ソムリエを志す。94年よりレストラン ラ・トゥール・ダルジャン配属、フランス伝統の料理とサービスを学び、ソムリエとしてのキャリアをスタート。2000年、第10回世界最優秀ソムリエコンクールでは第3位になるなど数々の賞を受賞し、日本でも屈指のソムリエとなる。04年ベージュ アラン・デュカス 東京へ移籍、2008年より同社総支配人就任。2011年2月よりレストラン アイ(神宮前)のシェフソムリエとして勤めるかたわら、ホテル日航東京(台場)、同豊橋(愛知)の顧問も務める。講演、執筆、コンサルティング、教育活動など幅広く活動する


日別アーカイブ: 2012年9月15日

ヴィンテージ

今日は、奮発して、やたら派手なシャンデリアで知られる
フランスレストランにやってきた。
音楽室にみたいに肖像画が飾られたウエイティングバーに寄って、
料理選んで、いよいよワインだ。

分厚いワインリストにはボルドーの同じシャトーのヴィンテージがズラリ!
やっぱり古くなるにつれ高い、
いや、2000年、1990年は極端に高いぞ、
区切りのいい年は高いのか?
うん?1982年は桁違いに高い。
で1981年はエライ安い、これはお買得なのか?

隣のテーブルの愛好家らしき人は小さなカードを
見ながら選んでる。ヴィンテージチャートというらしい。
なんだ?そのチャート。

「この年は偉大なヴィンテージですので」とソムリエ。

「偉大な、、、」なにか偉業でも達成したのか。
相変わらずソムリエは大袈裟だ。

やっぱり仲良くなれないな。

                 ◇     ◇     ◇

ヴィンテージは、ワインの一番の特徴の一つですね。
「今が飲み頃だ」、「○○○○年は当たり年だ」など、
これほどまでに作られた年つまりヴィンテージが
取り沙汰されるお酒はワインぐらいしかないでしょう。

それは、ワインが原料(ブドウ)の個性をそのまま表すという特徴を持っているからで、ブドウの出来栄えが(成熟度合い)大きく影響するからなのです。

つまり、天候(日照)に恵まれ、よく熟したブドウからは、
色が濃く、香りと味わいが強いワインが生まれます。
また、気温が低かったり、雨がちな年は、ブドウの成熟度は低いので、
軽い仕上がりのワインとなります。
これが最も一般的なヴィンテージの評価となっています。
当然、評価の高いヴィンテージのワインは価格も上がります。
また、熟成の可能性も高いといえます。

「偉大なヴィンテージ」
確かに大袈裟な表現です。ジャーナリストや評論家など
プロフェッショナルが、作柄を考慮しつつ、テイスティングして、
このような評価をつけます。
アメリカの著名な評論家ロバート・パーカーは、さほど評判のよくなかった
ボルドーの1982年を高く評価、後々にそれが認められるようになり、
結果1982年は「伝説的なヴィンテージ」と評されました。
それを見抜いたパーカーは時代の寵児となったのです。
それほどまでにヴィンテージの評価は大きな影響を与えるのです。

「偉大なヴィンテージ」フランス語らしい誇張した言い回しが生んだワインのマジックともいえますね。

では、いいヴィンテージ=美味しいのか?
実はそうとはえません。
それについては、次回詳しくお話しします。


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