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石田 博/ISHIDA Hiroshi
Sommelier's Note~ソムリエのネタ帳

1969年東京出身。90年ホテルニューオータニ入社。尊敬する先輩に憧れ、ソムリエを志す。94年よりレストラン ラ・トゥール・ダルジャン配属、フランス伝統の料理とサービスを学び、ソムリエとしてのキャリアをスタート。2000年、第10回世界最優秀ソムリエコンクールでは第3位になるなど数々の賞を受賞し、日本でも屈指のソムリエとなる。04年ベージュ アラン・デュカス 東京へ移籍、2008年より同社総支配人就任。2011年2月よりレストラン アイ(神宮前)のシェフソムリエとして勤めるかたわら、ホテル日航東京(台場)、同豊橋(愛知)の顧問も務める。講演、執筆、コンサルティング、教育活動など幅広く活動する


日別アーカイブ: 2012年7月17日

食前酒

 

「アペリティフはいかがいたしましょう?」

席着くなり、これだよ。

アペリティフって、食前酒のことなのは分かるけど、「とりあえずビール」はダメなんだよね。

何を頼んだらいいの?

やっぱりシャンパーニュ?
でもそれじゃあソムリエの術中にはまってるようで、なんか悔しいし。

メニューとかないの?

「ドリンクメニューください」

「どうぞ、こちらを」

って、これワインリストじゃん!
そうじゃなくて、その食前酒にいいもの載ってるメニューないのかって意味なんだけど!

この間、思い切って
「ダイキリください」って言ったら、露骨に嫌な顔されて、10分以上待たされたし。

ホント、なんでフレンチくると、窮地に立たされてばかり?!

* * *

席に着くなり、食前酒を聞かれてもドギマギしますよね。

初めての店、まだ気心知れてない相手との食事ならなおのことですね。

食前酒とは、アペリティフ、フランス語で「食欲を促進させる」という意味です。
フランスの人たちは、その意味だけでなく、これから始まる食事への期待感をより一層高める雰囲気づくりという意味あいで、楽しんでいます。

なので、別室つまりウエイティングバーやラウンジが併設レストランでは、テーブルに直接行かず、立ち寄り、ゆっくりと過ごされます。贅沢な時間の使い方ですね。

「何を飲んだらいいのか?」
なんでもいいのです。極端な話飲みたくなければ飲まなくても。
ただそれではやはり食事を楽しむという雰囲気にはならないですよね。

せっかくそれなりのお金を払って、素敵なレストランにいらしたのですから、楽しまないと。

ではどんなものがよいか?

*アルコールが高過ぎないもの。
昔のテーブルマナーの本には、マティーニ、ウイスキーなんてのも載ってました。それでは酔いが回ってしまいます。度数にして15度くらいがMAXですね。

*程よい酸味、または苦味がある。
これは食欲を促してくれます。

*複雑じゃないもの。
食事のスタートですから、あまり複雑というか強過ぎる風味のものはよくありません。またカクテルもシンプルなものがいいですね。
あまり凝ったものだと待たされてしまいます。

*気分の盛り上がるもの。
これが食前酒の一番の目的ともいえます。

以上をきちんと満たしたものは、やはりシャンパーニュです。

少し話はそれますが、フランスの王様の戴冠式はシャンパーニュの中心地、ランスの大聖堂で行われていました。そのときから、シャンパーニュは特別で、セレブリティの酒であり、祝いの酒となっているのです。

シャンパーニュで乾杯というのは、非日常的な食事をより一層特別なものにしてくれます。
ある程度の店なら大抵グラスでもサービスしています。

ビールだってアルコール度数は低いし、程よい苦味があるし、適しています。でもあまりに日常的ですよね。私はビールが大好きで、「今日は暑かったし、ビールにしたいなあ」というときには、近くで、サクッと一杯やってからレストランに向かう、なんてこともありますよ。

ヘタにカクテルを頼んで、失敗しないようにするには、
「オススメはありますか?」と聞いてみてください。
よい店なら、季節にあった、軽めのカクテルを用意しているはずです。これなら待たされる心配もありません。

シャンパーニュやスパークリングワインは、フルーツとよく合うので季節のフルーツを使ったカクテルは、アルコール度数も低く、飲みやすいので、ご一緒の女性がアルコールに強くない場合には最適です。

もともとアルコールが弱い、体調がすぐれないので程々にしたい方は、スパークリングウォーターでもよいと思います。
気の利いたソムリエなら、レモンか、ライムを添えますか?と聞いてくれ、ご一緒の方がシャンパーニュなら、同じフルートグラスに注いでくれるかもしれません。

 

 

 

 

 


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